車検のいろは


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車検に合格する最低地上高の基準や測り方、車検に不合格だった場合の解決策などについて紹介します。

いろは その25 車検に合格する最低地上高の基準と車高の測り方
車検に合格する最低地上高の基準と車高の測り方について解説

「車検に合格する最低地上高の基準とは?」
「最低地上高の計測方法は?」
「最低地上高が原因で車検に落ちてしまった場合の解決策は?」

車検に合格するうえで重要な最低地上高の基準や測り方について、このような疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。
車検に合格するためには、国によって指定されている最低地上高の基準を満たす必要があります。
最低地上高の基準を満たさず車検に落ちてしまった場合でも、適切な解決策をとることで車検合格を目指せます。

本記事では、車検に合格する最低地上高の基準や測り方、車検に不合格だった場合の解決策などについて紹介します。

車検に通る最低地上高の基準

最低地上高とは、地面から車のもっとも低い部分までを垂直に計測した距離を指し、車が安全に走行するために重要な装置や部品が道路の凹凸や段差で損傷しない高さに最低地上高が設定されています。

「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第163条」によって定められる車の最低地上高は普通自動車・軽自動車ともに9cmに設定されています。

また、最低地上高が9cmあっても条件を満たさない場合が存在し、その場合車の取り付け部品や車体の大きさによって最低地上高を計測するポイントが異なります。

くわえて、2006年1月以降に生産された車の場合、地面から灯火類の装着位置までの高さが基準を満たさなければ最低地上高が9cm以上であっても規定を満たしません。

とくに、フロントバンパー下方の低い位置に車の部品が装着されている車種は車高を低くする際に注意が必要で、ウィンカーランプやフォグランプなどの灯火類装置の高さが基準を満たさない場合に、たとえ最低地上高の条件を満たしていても車検に通ることは不可能です。


最低地上高に含まれない箇所

車の見た目をアレンジしたり車の性能を高めたりする際に便利なエアロパーツは、最低地上高に含まれません。
エアロパーツは車高に含まれず、5cm以上の高さにあれば車検に合格するうえで問題はありませんが、樹脂製であることやライトが埋め込まれ一体化していないことなどが条件になります。

そのほかにも、タイヤと連動し上下する部品の下端部分や自由度の高いゴム製部品、足回りなどに設置されるサスペンション部分は車高に含まれません。
したがって、エアロパーツなどの足回りに設置される部品を除いた最低の高さを測り、その高さが地上より9cm以上であれば車検合格の条件を満たします。

車検について詳しく知りたい方は”車検って何?基礎知識(有効期間・費用)”をご覧ください。

最低地上高の測り方

ここまで、車検に合格する最低地上高は9cmであることを紹介してきましたが、実際に最低地上高はどのように計測されるのでしょうか。 具体的な計測方法におけるポイントは、次の3つです。

  • ●測定する車を空車状態にする
  • ●車のタイヤの空気圧を規定値にする
  • ●舗装された平面で計測する

最低地上高を計測するうえでの3つのポイントについて、くわしく見ていきましょう。


測定する車を空車状態にする

車に人が乗っている状態や重い荷物を乗せた状態では正しく最低地上高を計測できません。
最低地上高を計測する際には、必ず車を空車状態にすることが重要です。

一方で、最低地上高を計測する際には走行に必要な装備や燃料部品、潤滑油や冷却水などの消耗品は搭載した状態で計測しなければなりません。

車検時の荷物について知りたい方は”車検と荷物の関係|積んだまま受けるリスクと積んだままでもよい荷物”をご覧ください。


車のタイヤの空気圧を規定値にする

車検で最低地上高を計測する際のタイヤの空気圧には規定値があるため注意が必要です。
タイヤは時間が経つにつれ空気が抜けることで内部の空気圧が下がり、タイヤの空気圧が下がった状態では車体が低く沈むため正確な最低地上高を計測できません。

くわえて、タイヤの空気圧が低下すれば本来の性能を発揮することが難しくなったり、摩耗が早くなることで、車検で規定されるタイヤの溝よりも溝の深さが深まったりする恐れがあります。

タイヤの空気圧は日頃のメンテナンスで欠かさずチェックし、車検の際には適正な空気圧で最低地上高を計測しましょう。

ちなみに、車検の要件を満たすために仮にタイヤの空気圧を上げ車高を高くしても、実際の車検ではタイヤの空気圧が通常値に戻されるため意味がありません。
これらのことから、車検の際にはタイヤの空気圧を規定値に設定し、正確に最低地上高を計測できる状態で車検を受けることが望ましいです。


舗装された平面で計測する

最低地上高を計測する際には、凹凸や段差がある場所、傾斜のある坂道などでは測定値に誤差が生じるため「自動車を舗装された平面に置く」ことが必須条件とされています。
最低地上高を計測するときには、舗装された平面の道路で、車と地面が並行になるように計測しましょう。

計測時の条件

ここまで、最低地上高の計測方法や、計測を行う際の注意事項について紹介しました。
ここからは、最低地上高を計測するときに満たすべき3つの条件について紹介します。

  • ●最低地上高の規制対象は「固定されたパーツ」のみ
  • ●大きな車は最低地上高の基準が変わる
  • ●もっとも低い位置になりやすい箇所は要チェック

最低地上高を計測する際に気を付けなければならない3つの条件について、くわしく見ていきましょう。


最低地上高の規制対象は「固定されたパーツ」のみ

最低地上高の対象となるのは、自動車のボディを含む構造物であり、固定されたパーツに限られます。

具体的には、マフラーやサスペンションメンバーとボルト、デファレンシャルギア、デフケース、オイルパンが対象となり、一方で稼働が可能なタイヤやロア・アーム、リアアクスル、スイングアームなどの部品は対象外になるため、注意が必要です。


大きな車は最低地上高の基準が変わる

最低地上高の基準は車体の大きさによって異なり、とくに大きな車ではホイールベースが「300cm以上の場合は最低地上高10cm以上」「350cm以上の場合は最低地上高11cm以上」といったようにホイールベースによって基準値が高くなるほか、タイヤの中心から外側にはみ出たオーバーハングの長さが「73cm以上の場合は最低地上高10cm以上」「82cm以上の場合は最低地上高11cm以上」といったようにオーバーハングの長さによっても基準値が高くなります。

セルフチェックを行う際には、自分の所有する車の大きさに応じた最低地上高の基準値を把握しておく必要があります。


もっとも低い位置になりやすい箇所は要チェック

車の車高を下げた場合、最低地上高を計測するときには最低位置がマフラーのタイコ部分にあたるため、注意しましょう。

また、エンジン下部に装着されるオイルパンなどの膨らんだ形状をしているパーツは計測位置に注意が必要であることにくわえ、足回り部分とボディを繋ぐ役割を果たすサスペンションメンバーは大きなボルトの頭が突出しているため、最低地上高を計測する前のチェック段階で注意することが必要です。

最低地上高が原因で車検が通らなかった場合

ここまでは、車検に合格するために気をつけるべき最低地上高の条件について紹介しました。

それでは、万が一最低地上高が原因で車検に不合格になってしまった場合、どのような対応策が効果的なのでしょうか。
最低地上高が原因で車検に通らなかった場合の具体的な解決策は、次の2つです。

  • ●車高を調節する
  • ●乗り換え

2つの解決策の内容について、くわしく見ていきましょう。


車高を調節する

車高が低いことが原因で車検に不合格になってしまった場合、部品の交換などで合格基準を満たす車高に調整する必要があります

とくに、車高調整式サスペンションの取り付けによる調整が一般的な調整方法です。
取り付けには専門工具が必要となるため、カー用品店や大手中古車販売店など、専門知識をもつ整備士が対応してくれる店舗に調整を依頼しましょう。

すでにサスペンションが取り付けられている場合、調整だけで車検に合格できる確率が高くなります。
車高調整式サスペンションを導入した場合、ホイールバランスやアライメントの調整も必須になるため、トータルの調整を業者に依頼することでスムーズに整備が行えます。


乗り換え

車高調整には部品代や調整代などがかかり、高額な出費となってしまう可能性があります。
予想以上の出費が予想される場合には、思い切って車を買い替えることもひとつの解決策です。

車検合格には最低地上高の基準合格が必須

車検に合格するうえで、最低地上高の基準を満たすことは重要です。
最低地上高を計測する場合には、車内の状態や路面の状況、部品の位置などに気をつけましょう。

また、万が一最低地上高が原因で車検に不合格になってしまった場合は、車高の調整や車の買い替えによって対処しましょう。

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