車検にかかる費用の内訳、課税される税金の詳細、納税しないリスクなどを解説しています。
いろは その40 車検に関する「税金」は何がある?
- 車検に関する「税金」は何がある?種類やエコカー減税についても紹介!
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「車検を受ける前にかかる税金を調べておきたい」「具体的にどれくらいの税額になるか心配だ」などと感じていませんか。関係が深い税金として自動車重量税と自動車税があげられます。これらを適切に納めていないと、車検を受けられないことがあります。
この記事では、車検にかかる費用の内訳、課税される税金の詳細、納税しないリスクなどを解説しています。車検を控えている方は参考にしてください。 そもそも車検にかかる費用には何があるのか
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車検にかかる費用は、大きく以下の2つにわかれます。
- 【費用の内訳】
- 法定費用
- 法定費用以外
それぞれの詳細は次の通りです。
法定費用
法定費用は、次のもので構成されます。
- 【法定費用の内訳】
- 自動車重量税
- 自賠責保険の保険料
- 印紙代
自動車重量税の詳細は次の章で解説します。
自賠責保険は、すべての自動車が法律で加入を義務付けられている保険です。この特徴から、強制保険と呼ばれることもあります。目的は交通事故被害者を救済することです。したがって、補償は「交通事故で他人を怪我または死亡させてしまった(人身事故の損害賠償)」ときに限られます。保険料は保険会社を問わず一律です。自家用乗用自動車と軽自動車(検査対象)の保険料は次のようになっています。
【自賠責保険加入期間と金額】
車種 36カ月 24カ月 12カ月 自家用乗用自動車 27,180円 20,010円 12,700円 軽自動車 26,760円 19,730円 12,550円 具体的な金額は保険期間で異なります。以上などの保険料を、車検費用の一部として支払います。
印紙代は、検査や登録にかかる手数料です。自動車検査登録印紙などで支払うため印紙代と呼ばれています。印紙代は、持込検査と指定整備、継続検査と新規検査などで異なります。普通自動車・小型自動車・軽自動車の印紙代は次の通りです。
【継続検査】
車種・手続き 印紙代 普通自動車(持込検査) 2,200円(国・軽検協400円+機構1,800円) 普通自動車(指定整備) 1,600円(国・軽検協1,200円+機構400円)※OSSは1,400円 小型自動車(持込検査) 2,100円(国・軽検協400円+機構1,700円) 小型自動車(指定整備) 1,600円(国・軽検協1,200円+機構400円)※OSSは1,400円 軽自動車(持込検査) 1,800円(国・軽検協1,400円+機構400円) 軽自動車(指定整備) 1,500円(国・軽検協1,100円+機構400円)
【新規検査】
車種・手続き 印紙代 普通自動車(持込検査) 2,500円(国・軽検協400円+機構2,100円) 普通自動車(完成検査終了証の提出) 1,600円(国・軽検協1,200円+機構400円)※OSSは1,400円 小型自動車(持込検査) 2,400円(国・軽検協400円+機構2,000円) 小型自動車(完成検査終了証の提出) 1,600円(国・軽検協1,200円+機構400円)※OSSは1,400円 軽自動車(持込検査) 1,800円(国・軽検協1,400円+機構400円) 軽自動車(完成検査終了証の提出) 1,500円(国・軽検協1,100円+機構400円) 以上の手数料も、車検費用の一部として支払います。
法定費用以外
法定費用以外は、上記以外の費用です。具体的には、車検基本料・検査料・諸費用などで構成されます。法定費用とは異なり、車検会社によりかかる費用とかからない費用があります。また、同じ名目であっても金額は異なります。費用負担を抑えたい場合は、法定費用以外をチェックするとよいかもしれません。ただし、サービス内容の確認も必要です。
自賠責保険について詳しく知りたい方は”自賠責保険と車検の関係について”をご覧ください。
車検に関わる2つの税金
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車検に関わる税金として、法定費用に含まれる自動車重量税と自動車税があげられます。これらの税金について解説します。
税金①「自動車重量税」(車検時に支払い)
車検を受けるときに、自動車の重量などに応じで課される税金です。納税義務者は、車検証の交付を受けるもの、届出軽自動車の車両番号の指定を受けるものとされています。
軽自動車以外の税額は0.5トンごとに年間4,100円、軽自動車の税額は重量に関わらず年間3,300円です。
【軽自動車以外の税額】
重量 1年 2年 3年 ~0.5トン 4,100円 8,200円 12,300円 ~1トン 8,200円 16,400円 24,600円 ~1.5トン 12,300円 24,600円 36,900円 ~2トン 16,400円 32,800円 49,200円 ~2.5トン 20,500円 41,000円 61,500円 ~3トン 24,600円 49,200円 73,800円 自動車重量税は、新車登録から13~18年未満、18年以上が経過すると、段階的に税額が高くなります(減税対象車は除く)。13~18年未満における0.5トンごとの税額は年間5,700円(軽自動車は4,100円)、18年以上における0.5トンごとの税額は年間6,300円(軽自動車は4,400円)です。具体的な税額は、国土交通省が運営しているオンラインサービス「次回自動車重量税額紹介サービス」で確認できます。
税金②「自動車税(種別割)」や「軽自動車税(種別割)」(車検前に支払い)
自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点における車検証上の所有者に課される税金です。納付期限は、基本的に毎年5月末日となっています(納税通知書は5月上旬に送付)。税率は、排気量と初回新規登録のタイミングで異なります。また、新車登録から13年が経過したガソリン車・LPG車(ディーゼル車は11年)は税額が上がります(15%程度、軽自動車は12,900円。エコカーは除く)。税率の詳細は以下の通りです。
【自動車税】
排気量 2019年9月30日以前に初回新規登録 2019年10月1日以降に初回新規登録 1,000cc以下 29,500円 25,000円 1,000cc超1,500cc以下 34,500円 30,500円 1,500cc超2,000cc以下 39,500円 36,000円 2,000cc超2,500cc以下 45,000円 43,500円 2,500cc超3,000cc以下 51,000円 50,000円 3,000cc超3,500cc以下 58,000円 57,000円 3,500cc超4,000cc以下 66,500円 65,500円 4,000cc超4,500cc以下 76,500円 75,500円 4,500cc超6,000cc以下 88,000円 87,000円 6,000cc超 111,000円 110,000円 軽自動車 10,800円 10,800円 出典:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」
車検時にかかる税金ではありませんが、未納だと車検を受けられません。車検を受ける前に、納税証明書の提出を求められるからです。したがって、自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)は車検と関わりが深い税金と考えられます。
納税証明書がない状態での車検について知りたい方は”納税証明書がない状態でも車検は受けられる・受けられないケースについて解説”をご覧ください。
自動車の「車検」は税金支払済みであることが前提条件
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車検を受けるにあたり自動車重量税・自動車税または軽自動車税の支払いを求められます。例えば、自動車重量税は、車検証の交付など、または車両番号の指定を受けるときまでに納付しなければならないと定められています。車検費用に含まれているため、自動車重量税が未納になることは基本的にないでしょう。一方で、自動車税・軽自動車税は未納・滞納に注意が必要です。ここからは、税金を支払わないリスクと滞納を回避する方法を紹介します。
税金を滞納するリスク
税金(自動車税・軽自動車税など)を滞納すると延滞税を課されます。税率は、納付期限の翌日から1ヶ月までは年率7.3%、以降は年率14.6%です。納付期限から1カ月程度経過すると、未納になっていることを知らせる督促状が届きます。これを無視すると、訪問などによる督促が行われ、それでも未納が続くと差し押さえになります。車検を受けられないだけでは済まない恐れがあるため、自動車税の未納などはおすすめできません。
前述の通り、自動車税・軽自動車税が未納だと車検を受けられません。車検を受けられないと、当該自動車に乗って公道を走れなくなります。この状態で公道を走ると、無車検運行に該当してしまうからです。無車検運行の違反点数は6点です。30日間の免許停止処分となってしまいます。加えて、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されます。車検を受けられない場合、自賠責保険にも加入していないでしょう。無保険運行(自賠責保険に加入せず自動車を運転)も罰則の対象です。具体的には、違反点数6点に加えて、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。
滞納を回避するポイント
税金の滞納を回避するため、自動車を購入するときに自動車重量税や自動車税の税額を調べておくことが重要です。無理なく維持できる自動車を選択すれば税金滞納のリスクは小さくなります。また、自動車税の納税通知書が届かない、納税通知書を紛失したなども滞納の原因になりえます。納税通知書が届かない場合、転居時に車検証に記載されている所有者の住所を変更していないことが考えられます。住所変更は、管轄の運輸支局などで行えます。紛失した場合は、都道府県税事務所(普通車)や市役所の窓口(軽自動車)で再発行を依頼できます。
エコカー減税とは
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燃費性能・排出ガス性能に優れた自動車をエコカー、エコカーに対する税制面の優遇措置をエコカー減税といいます(自動車税はグリーン化特例)。エコカーは、自動車税・軽自動車税・自動車重量税が減税されます。詳細は次の通りです。
自動車税軽自動車税
普通自動車(自動車税)
令和3年4月1日~令和5年3月31日までに新車新規登録などを行った場合、翌年分に対して次の特例が適用されます。
- 【特例】
- 電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリット自動車:概ね75%軽減
実際の税額は、自動車税の税額に軽減率を乗じて求めます。
軽自動車(軽自動車税)
令和3年4月1日~令和5年3月31日までに、初めて車両番号の指定を受ける減税対象車は翌年分に対し次の特例が適用されます。
- 電気自動車・天然ガス自動車:概ね75%軽減
実際の税額は、軽自動車税の税額に軽減率を乗じて求めます。
自動車重量税
新車購入時(普通自動車、軽自動車)
令和3年5月1日~令和5年4月30日までに、新車新規登録などを行った減税対象車は次の特例措置が適用されます。
- 【特例措置】
- 電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリット自動車:免税
- グリーンディーゼル乗用車:免税
- 令和12年度燃費基準60%:25%軽減
- 令和12年度燃費基準70%:25%軽減
- 令和12年度燃費基準75%:50%軽減
- 令和12年度燃費基準85%:50%軽減
- 令和12年度燃費基準90%:免税
- 令和12年度燃費基準達成:免税
詳細は、国土交通省公式サイトでご確認ください。
初回車検時(普通自動車、軽自動車)
初回車検時に適用される特例は次の通りです。
- 【特例措置】
- 電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリット自動車:免税
- 令和12年度燃費基準120%:免税
初回車検は、1回目の車検と考えればよいでしょう。
環境性能割
普通自動車
令和3年5月1日~令和5年4月30日までに車両を取得した場合、環境性能に応じた税率を課します。
- 【税率】
- 電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・グリーンディーゼル乗用車・プラグインハイブリット自動車:非課税
- 令和12年度燃費基準60%未満:3%
- 令和12年度燃費基準60%:2%
- 令和12年度燃費基準65%:2%
- 令和12年度燃費基準75%:1%
- 令和12年度燃費基準85%:非課税
- 令和12年度燃費基準達成:非課税
軽自動車
軽自動車(自家用)に適用される税率は次の通りです。
- 【軽自動車(自家用)税率】
- 電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車:非課税
- 令和12年度燃費基準55%未満:2%
- 令和12年度燃費基準55%:2%
- 令和12年度燃費基準60%:1%
- 令和12年度燃費基準65%:1%
- 令和12年度燃費基準75%:非課税
- 令和12年度燃費基準85%:非課税
- 令和12年度燃費基準達成:非課税
まとめ
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車検時に課税される税金は自動車重量税です。また、自動車税・軽自動車税の納税通知書を求められるため、これらも車検にかかわりが深い税金としてあげられます。車検を受ける方は、以上の税金を適切に納める必要があります。
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