車検のいろは


車検の知識をしっかり押さえて、自分に合った車検を選ぼう!

車検検査項目と日常でできるセルフチェック項目をご紹介します。

いろは その43 車検検査項目一覧と合格するために日常的に注意しておくべきポイント
車検検査項目一覧と合格するために日常的に注意しておくべきポイント

これから車検を受けなければならない方に向けて、車検検査項目と、今からでも確認できる日常的なチェックポイントを解説します。
車検検査項目はさまざまで、初めて車検を受ける方にとってはわからないことも多いでしょう。
しかし特にユーザー車検を選ぶ場合は、車検検査項目を知らなければ不合格となることもあります。
そこで今回の記事では、車検検査項目と日常でできるセルフチェック項目をご紹介します。
参考にしていただければ、車検に合格するためのポイントがわかるはずです。

車検とは

まずは「車検」とはどのようなものか、実施する目的や費用などについて見ていきましょう。
車検を受ける意義について解説していきます。

車検の概要

車検とは国が定めた自動車の安全性・環境保護性が基準を満たしているか確認するための検査です[1]。
自動車で走行するには、周囲に対する安全性が確保されなければなりません。
また排ガスなどによる環境への汚染が少ないことも確認する必要があります。
そのため自動車を所有している方は、定期的に安全性・環境保護性を満たしているか検査を受けるよう義務づけられています。
そして検査時点で基準を満たしていることが確認された場合、2年間有効となる自動車検査証の発行により公道の走行が許される仕組みです。

関連記事:車検って何?基礎知識(有効期間・費用)

車検にかかる費用

車検にかかる費用は「基本料金」「法定費用」の2種類からなります。
基本料金は車検を業者に依頼する場合の手数料となるものです。
対して法定費用は車検に必ず費用となるもので、「自動車重量税」「自賠責保険」「印紙代」で構成されます。
車検の総額は業者に依頼するかどうかや、車種によって変わるものです。
もしユーザー車検を利用してご自身で車検を受ける場合、基本料金は必要ありません。
法定費用のみで受けられます。
車検の費用について詳しく知りたい方は“車検費用の内訳を徹底解説!”をご覧ください。

車検と24か月点検の違い

車検と24か月点検は同時期に受けるものですが違うものです。
車検は「安全・環境基準への適合」を検査するもので、24か月点検は「自動車の安全性を確保する」ための点検となります[1]。
車検に合格できたとしても、自動車の安全性が確保されているとは限らないことを知っておいてください。

車検の検査項目

それでは車検検査項目について詳しく解説していきます。

項目①:同一性の確認

「同一性の確認」とは、車検証の記載内容と車検を受ける車が同じであるかどうか確認する項目です。
同一の車両であると確認できなければ車検自体を受けられないため、車検検査項目における基礎中の基礎と言えるでしょう。
同一性の確認において行われる検査は次のようになります。

  • 【検査項目】
  • エンジンに記載されているナンバーの確認
  • 車台番号の確認

以上の2つの項目を確認した上で、同一車両であるかどうかを検査します。
車両自体が同じであっても、もしエンジンが不正に改造されていれば同一の車とはみなされません。
エンジンルームを確認し、車検証に記載されている内容と同じであるか確認されます。

項目②:外装

外装も車検検査項目のひとつです。
外装で検査される項目は、タイヤ・ライト・ワイパー・窓ガラスなどです。
場所別に次のようなことが検査対象となります。

  • 【タイヤ】
  • スリップサインが見えていないか
  • 表面にヒビ割れや傷がないか
  • 【ライト】
  • 表面が破損していないか
  • 正常に点灯できるか
  • 点灯色に問題はないか
  • 【ワイパー】
  • 正常に作動するか
  • ガラスを拭き取る能力を保持しているか
  • ゴムの切れや緩みがないか
  • 【窓ガラス】
  • ヒビ割れや割れがないか
  • 着色フィルムの可視透過率が70%未満でないか

タイヤに劣化・磨耗が見られないか、ライトやワイパーが破損していないかが主な検査項目となります。
フロントガラスやサイドガラスに破損が見られたり、紫外線カットシートを貼っている場合も不合格となる可能性が高まります。
外装関連の項目では車の使用者が把握しやすい不具合が確認されるため、事前のチェックを欠かさないようにしましょう。

項目③:サイドスリップ

車検ではサイドスリップ検査も行われます。
サイドスリップとは「まっすぐ走行できるかどうか」を検査するものです。
ハンドルを切らずにまっすぐ走行できれば合格となりますが、もし左右にぶれるようであれば整備が必要となります。
左右のぶれで許容されるのは、ハンドルをまっすぐにして走行した状態で5mm未満であることです。
5mm以上のぶれがあると車検に合格できません。
タイヤ周辺をぶつけたことがあったり、タイヤが片減りしていたりすると場合は左右にぶれがちになります。
以上のようなサイドスリップ検査で不合格となることも少なくありません。

項目④:ブレーキ

続いてはブレーキの検査です。
ブレーキ検査では主ブレーキとサイドブレーキが正常に作動するかどうかを確認されます。
ブレーキは車の安全性において重要なカギとなる部分です。
具体的に検査されるのは次のような項目となります。

  • 【ブレーキの車検検査項目】
  • ブレーキペダル
  • サイドブレーキ
  • ブレーキフルード
  • マスターシリンダー
  • ディスクブレーキ
  • ドラムブレーキ
  • ブレーキホース

しかし以上のようなブレーキの各箇所に問題がなく、正常に作動するブレーキであっても車検に不合格となることはあります。
ユーザー車検にて、車の使用者によるブレーキの踏み込みが甘かった場合です。
強く踏み込まないと、不合格となる恐れがあるため注意しましょう。
ユーザー車検について詳しく知りたい方は“ユーザー車検費用っていくら?”をご覧ください。

項目⑤:スピードメーター

スピードメーターも車検検査項目のひとつとなっています。
検査されるのは、表示されている速度と実際の速度の誤差と、警告灯・表示灯についてです。
スピードメーターに誤差があることは一般的なので、綿密な検査が行われるわけではありません。
しかし誤差が大きすぎる場合は不合格となります。
具体的には10km/h以上の誤差が出ると合格は難しいでしょう。
警告灯や表示灯については、ランプが点灯していないかが確認項目となります。
日常の使用において警告灯や表示灯がついていなければ、特に問題がないと考えられます。
スピードメーターの誤差はタイヤのサイズの違いや不具合によって起こることが多いため、車検前にタイヤを確認しておきましょう。

項目⑥:排気ガス

車検では排気ガスの検査も行われます。
排気ガスに含まれる有毒ガスとされる一酸化炭素と炭化水素の量を測定し、環境汚染を防ぐためです。
検査では排気ガステスターを用いて、アイドリング状態の排気ガスの状態を検査されます。
もしエンジンの状態が良くない場合、排気ガスから有毒ガスが多く排出される傾向があるため注意しましょう。
またマフラーにある排気ガスを浄化するための触媒がない場合でも、検査で問題が出ることがあります。
排気ガスの状態は事前に確認しにくいものです。
しかしもし不安があれば、事前に検査業者にて確認してもらえるので活用してください。

項目⑦:内装

車検検査項目として最後にご紹介するのは、内装部分の検査についてです。
シートベルト・ヘッドレスト・発煙筒などが主に確認される項目となります。
検査の対象となるのは「違反しているもの」と「危険なもの」です。
シートベルトや発煙筒がなかったり作動しなかったりする場合、走行上の安全が確保されていないとして車検不合格となります。
またヘッドレストをつけることは法律上の義務となっているため、ついていなければなりません。
内装上の車検検査項目は整備で見落としがちなことも多いため、事前によく確認しておきましょう。

関連記事:車の構造変更による車検の流れについて

車検時に気をつけたい検査項目

車検検査項目の中でも特に気をつけたいのは、次のような部分です。

  • 【気をつけたい項目】
  • ヘッドライト
  • サイドスリップ
  • ブレーキ
  • ドライブシャフトブーツ
  • ステアリングラックブーツ

上記の車検検査項目は、車の所有者が比較的簡単に確認できるものです。
ライトが割れていないか、正常に照らされるかどうかは目視で確認でき、またサイドスリップは日常的な運転で確認できるでしょう。
ブレーキの利きを日常的に意識しておくことも大切です。
その他ブーツ類の不具合は異音によって気づけることが多いもの。
以上の5つの車検検査項目は、業者に検査をしてもらわなくても気づけることが多い部分であるため、日常的に注意して確認しましょう。

車検に通らなかったときの対処法

車検検査項目をあらかじめ確認しても車検に通らなかった場合は、次の2種類の対処法があります。

  • 【対処法】
  • 整備・修理をして当日に再検査を受ける
  • 限定自動車検査証を発行してもらい後日再検査を受ける

当日中であれば、初回を含めて3回まで無料で検査を受けられます。
もし当日中の再検査が難しければ、「限定自動車検査証」を発行してもらいましょう。
限定自動車検査証は15日間が有効期限で、交付されれば検査当日を含めて15日以内はそのままの状態で公道を走れます。
車検検査項目を見直して、不合格となった部分を改善してからいずれかの方法で再検査を受けてください。

車検前にセルフチェックできる箇所

車検に合格するには、日常的なセルフチェックが大切です。
次のように簡単にチェックできる項目もあるので、日頃から確認しておけば車検に合格しやすくなります。

  • 【チェック項目】
  • タイヤのスリップサインが見えていないか?
  • タイヤに傷やヒビ割れがないか?
  • ガラスにヒビが入っていないか?
  • エンジンオイル・ウォッシャー液の量は十分か?
  • ワイパーは正常に動くか?
  • ライトやランプにヒビが入っておらず正常に点灯するか?

以上のチェック項目は車検検査項目に含まれており、日常的に確認できるものです。
日頃から車の様子を見ておけば車検に通りやすくなるため、上記の項目を意識的にチェックしましょう。

車検を受ける前に「車検検査項目」を確認して万全な準備を

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、車検検査項目についてご理解いただけたと思います。
車検では外装やエンジンルームの他、さまざまな部分について検査されるものです。
検査に合格するには事前に自ら点検を行っておくことも大切となります。

これから車検を受ける方の中にはユーザー車検を検討している方もいるかもしれません。
しかしユーザー車検では合格が難しくなるのも事実です。
とことん車検ナビ」では、全国の安心できる車検会社を簡単に検索できますので、ぜひ車検会社探しのためにご活用ください。

[1]参照:国土交通省:点検整備の必要性・重要性

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