車検のいろは


車検の知識をしっかり押さえて、自分に合った車検を選ぼう!

車検証に記載されている情報の見方、活用する場面などを詳しく解説しています。

いろは その50 車検証の見方
車検証の見方|記載項目の内容と押さえておきたい名義変更の方法

「車検証が必要になったけど見方がわからない」などと悩んでいませんか。さまざまな情報が記載されているうえ専門的な用語が多いため、何を書いているかわからない方は多いでしょう。結論から述べると、この書類には自動車の用途や種別、所有者や使用者などが記載されています。これらの情報は、自動車保険へ加入するときなどに必要になります。ここでは、車検証に記載されている情報の見方、活用する場面などを詳しく解説しています。以下の内容を参考にすれば、どのようなときに、どのような情報を活用すればよいかがわかるはずです。理解を深めたい方は参考にしてください。

車検証の種類

車検証は、自動車の所有者・使用者を明らかにしたり、自動車が検査時点で保安基準に適合していることを証明したりする書類です。自動車検査証と呼ばれることもあります。この書類は、登録車用と軽自動車用にわかれます。それぞれの概要は次の通りです。

関連記事:車検のいろは36 車検証(自動車検査証)とは?

登録車の車検証

運輸支局または検査登録事務所が管轄する自動車を登録自動車といいます。具体的には、軽自動車などを除く、普通自動車・小型自動車・大型自動車・特殊自動車を指します。これらに交付される車検証が登録車の車検証です。

登録車の車検証にはAタイプとBタイプがあります。Aタイプの特徴は「使用者欄」と「所有者欄」があることです。マイカーの場合は、基本的にAタイプが交付されます。Bタイプの特徴は「使用者欄」しかないことです。つまり「所有者欄」はありません。所有者の情報は備考欄に記載されます。これにより、所有者情報の変更が簡単になる点がポイントです。Bタイプは、所定の条件を満たし国土交通省へ申請すると交付されます。主に、リース会社などが取得しています。

軽自動車の車検証

同じ自動車であっても、登録車と軽自動車では道路運送車両法上の位置づけが異なります。登録車は国(陸運局)に登録されますが、軽自動車は国に登録されません。軽自動車検査協会で届出を行うのみです。したがって、軽自動車は届出車と呼ばれることもあります。以上の特徴があるため、軽自動車と登録車では車検証も異なります。軽自動車には、軽自動車検査協会が発行する自動車検査証が交付されるのです(=軽自動車の車検証)。

電子車検証

令和5年1月4日から、電子車検証の交付がスタートしています。電子車検証は、縦105mm×横177.8mmの厚紙にICタグを貼り付けた自動車検査証です。基礎的な情報は券面へ記載、その他の情報はICタグへ格納します。これにより、整備事業者などが一部の情報を書き換えられるようになりました。ドライバーや事業者の利便性を向上させる取り組みです。交付の対象となるのは、令和5年1月4日以降に、車検証が新たに発行される手続きを行った方です。ちなみに、軽自動車は令和6年1月からスタート予定となっています。

ICタグを読み込まなくてもわかる情報

券面に記載される基礎的な情報は次の通りです。

  • 【基礎的な情報】
  • 自動車登録番号/車両番号
  • 車台番号
  • 交付年月日
  • 使用者の氏名又は名称
  • 車名・型式
  • 自動車の種別
  • 長さ・幅・高さ
  • 車体の形状
  • 原動機の型式
  • 燃料の種類
  • 総排気量又は定格出力
  • 自家用・事業用の別
  • 用途
  • 乗車定員/最大積載量
  • 車両重量/車両総重量
  • 軸重(前前・前後・後前・後後)
  • 所度登録年月/所度検査年月
  • 車両識別符号

出典:国土交通省電子車検証特設サイト「電子車検証について」
https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/about/

以上の情報は、券面に記載されるためICタグの読み込みを行わなくても確認できます。

ICタグを読み込まないとわからない情報

ICタグに格納される情報は次の通りです。

  • 【格納される情報】
  • 自動車検査証の有効期間
  • 所有者の氏名・住所
  • 帳票タイプ
  • 使用者の住所
  • 使用者の本拠の位置

出典:国土交通省電子車検証特設サイト「電子車検証について」
https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/about/

これらの情報を確認する場合は、ICカードリーダーなどで読み込まなければなりません(一部スマートフォンでも対応可)。

車検証の見方

記載項目とその見方は次の通りです。

自動車登録番号又は車両番号

普通自動車・小型自動車・大型自動車などは自動車登録番号、軽自動車などは車両番号が記載されます。自動車登録番号・車両番号を簡単に言い換えるとナンバープレートです。つまり「地名」「分類番号」「一連指定番号」が記載されます。自動車登録番号と車両番号にわかれる理由は、道路運送車両法に基づき種別がわけられているからです。

登録年月日/交付年月日

本書類の交付を受けた年月日を記載します。例えば、住所変更などで記載事項を変更した場合や新たに自動車を登録した場合は、新しい車検証になるため登録年月日/交付年月日も更新されます。この後で解説する「初度登録年月日/初度検査年月」と混同しやすいため注意が必要です。

初度登録年月/初度検査年月

初度登録年月は、自動車を運輸支局へ初めて登録した年月です。軽自動車の場合は初度検査年月になります。これらは、「年式」と呼ばれることもあります。記載事項を変更などしても、初度登録年月/初度検査年月は変わりません。登録年月日/交付年月日と異なる点です。

用途

自動車の用途は、乗用自動車・乗合自動車・貨物自動車・特種用途自動車にわかれます。これらの区分を記載している項目です。具体的には「乗用」「乗合」「貨物」「特殊」のように記載されます。ただし、大型特殊は「-」の表記となります。また、自動車によっては備考欄に追記がなされます。

自動車の種別

道路運送車両法に基づく自動車の種別が記載される項目です。同法で自動車は「大型特殊」「小型特殊」「普通」「小型」「軽自動車」「第1種原動機付自動車」「第2種原動機付自動車」に分類されます。「大型特殊」「普通」「小型」「軽自動車」のなかから該当する種別が記載されます。

自家用・事業用

自家用ナンバーを取得している場合は「自家用」、事業用ナンバーを取得している場合は「事業用」と記載されます。ナンバープレートの見分け方は次の通りです。

登録自動車 自家用(下地×文字) 白色×緑色
事業用(下地×文字) 緑色×白色
軽自動車 自家用(下地×文字) 黄色×黒色
事業用(下地×文字) 黒色×黄色

車名・車台番号・型式

車名には自動車メーカーの名称、車台番号には当該車両に割り振られた番号、型式にはいわゆるモデルなどを表す記号が記載されます。これらの項目を見れば、自動車の概要がわかると考えておけばよいでしょう。

乗車定員

運転者席・座席・座席に準ずる装置などの定員の総和を記載する項目です。具体的な定員は、自動車の大きさなどで異なります。この項目を確認すれば乗車してよい人数がわかります。

最大積載量・車両重量・車両総重量

最大積載量は当該車両へ積んでもよい荷物の重さです。ただし、自家用には記載がありません。車両重量は、車両そのものの重さに、ガソリン・オイル・バッテリーなどを加えた重さです。車両総重量は、車両重量に乗車定員と最大積載量を加えた重さを表します。

長さ・幅・高さ

当該車両の長さ・幅・高さをセンチ単位で記載します。1cm未満は切り捨てとなります。自動車の寸法(全長・全幅・全高)と考えればよいでしょう。記載されている寸法と実際の寸法が大きく異なると、車検で不適合になることがあるため注意が必要です。

前前軸重・前後軸重・後前軸重・後後軸重/前軸重・後軸重

車軸(タイヤ)にかかる重量を記載する項目です。これらの総和は、車両重量と等しくなります。一般的な自動車(2軸)の場合、前後軸重と後前軸重は記載されません。記載があるのは4軸車のトラックなどです。

原動機の型式

原動機はエンジンを指します。つまり、エンジンの型式を記載する項目です(電気自動車の場合はモーター、ハイブリッド車の場合はエンジンとモーターの型式)。ちなみに、書類上の型式と実際の型式が異なる場合は検査に通りません。

総排気量又は定格出力

エンジンの場合は総排気量、モーターの場合は定格出力が記載されます。総排気量はL(リットル)で表します。一般的に用いられているccではありません。したがって、1,490ccであれば1.49Lと表記されます。定格出力を表す単位はKWです。

型式指定番号・類別区分番号

自動車メーカーが、販売前に国土交通省へ申請し、審査を受けて取得した番号です。型式指定番号があればメーカー・グレードなど、類別区分番号があればオプションなどがわかります。型式指定を受けると、運輸支局へ自動車を持ち込まなくてもナンバープレートを受け取れます(新車登録時)。

所有者の氏名・住所

自動車の所有者に関する情報を記載する項目です。カーローンを組んでいる場合、ここに信販会社などの名称・住所が記載されます。信販会社などに立替払してもらっている状態になるからです。完済まで以上の状態が続きます。

使用者の氏名や住所

自動車の使用者に関する情報を記載する項目です。同じ人物が所有者と使用者の場合は「***」になります(Aタイプ)。カーローンを組んでいるときは、この欄に購入者の氏名・住所が記載されます。

有効期間の満了日

車検の有効期限を年月日で記載する項目です。この期間を過ぎると、当該車両は公道を走行できなくなります。したがって、満了日の前に継続検査を受けなければなりません。継続検査を受けられる期間は定められていません。満了日の1カ月前あたりに受けるケースが多いといえるでしょう。

車検証が必要な場面

車検証は、さまざまな場面で必要になります。代表的な場面として以下のものがあげられます。

氏名や住所を変更するとき

これらの変更手続きは、運輸支局や軽自動車検査協会で行います。手続きに車検証が必要です。ちなみに、住所変更は15日以内に行わなければなりません。この間を過ぎると、罰金を科される恐れがあります。また、Bタイプの車検証は、所有者の氏名・住所に変更があっても使用者は手続きを必要としません。
車検証の住所変更について詳しく知りたい方は“車検証の住所変更時の流れと準備するものを紹介”をご覧ください。

自動車保険に加入するとき

任意保険に加入するときも車検証が必要になります。加入にあたり、車台番号など、車検証に記載されている情報が必要になるからです。また、契約にあたりコピーの提出も求められます。記載内容が古くなっている場合は、基本的に変更の手続きが必要です。

車を売買するとき

自動車の売買にも欠かせません。所有者などを確認しなければならないからです。信販会社などが所有者になっている場合は、そのままの状態だと基本的に自動車を売却できません。買取店や所有者に相談して、名義を変更するなどの手続きが必要です。

車検を受けるとき

継続車検を受けるときも車検証が必要です。このほか、点検整備記録簿・自動車損害賠償責任保険証明書・自動車重量税納付書などの提出も求められます。

出典:自動車検査登録総合ポータルサイト「継続車検 必要書類」
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/inspection/document/index.html

車検証の名義変更をする方法

名義変更では次の書類が必要になります。

  • 【書類】
  • 自動車検査証
  • 譲渡証明書
  • 印鑑証明書(元の所有者・新しい所有者)
  • 車庫証明書(新しい所有者)
  • ナンバープレート(管轄の運輸支局が変わる場合)
  • 委任状(元の所有者・新しい所有者。どちらか一方が手続きを行う場合)

以上の書類を揃えて、管轄の運輸支局などで手続きを行います。手続きにあたっては、申請書・手数料納付書・自動車税・自動車取得税申告書も必要になります。これらは運輸支局の窓口などに用意されています。詳しくは、運輸支局などでご確認ください。

車検証は重要な書類!正しく理解しましょう

車検証の概要や見方などについて詳しく解説しました。自動車の所有者や使用者などを記載した重要な書類です。氏名や住所を変更するとき、自動車保険に加入するとき、継続車検を受けるときなど、さまざまな場面で必要になります。また、自動車に備え付けておくことも義務付けられています。見方がわからないと、正しく活用できない恐れがあります。いざというときに困らないため、この記事の内容を押さえておきましょう。

「とことん車検ナビ」では全国各地の信頼できる車検会社を豊富に掲載しています。
お気に入りの車検会社と連携すれば、お得なクーポンや特典サービスが手に入ります。
簡単に近くの車検店舗を調べたい方は、ぜひ一度「とことん車検ナビ」をご確認ください。

ご希望の条件で選ぶ

店舗検索はこちらから

お住まいの地域から車検業者を検索


車検比較マニュアル 軽自動車編

車検比較マニュアル 軽自動車編
軽自動車の車検に関する疑問やポイントを解説しています。

車検比較マニュアル プリウス編

車検比較マニュアル プリウス編
プリウスの車検に関する疑問やポイントを解説しています。