タイヤの溝など、車検でチェックされる項目をご紹介します。
いろは その54 車検前のタイヤでチェックするべき3つのポイントとタイヤ管理のコツ
- 車検前のタイヤでチェックするべき3つのポイントとタイヤ管理のコツ
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これから車検を受けなければならない方に向けて、タイヤで確認しておきたいポイントをご紹介します。
車検を受ける前に、「タイヤは大丈夫かな?」と不安になる方も多いのではないでしょうか?タイヤが原因で車検に合格しないことは珍しくありません。タイヤ交換となれば、車検代も高くなってしまいます。
今回の記事ではタイヤの溝など、車検でチェックされる項目をご紹介します。タイヤを長持ちさせるための方法も解説していますので、これから車検の方、タイヤを長持ちさせたい方に役立つ記事となっているはずです。
車検について詳しく知りたい方は“車検って何?基礎知識(有効期間・費用)”をご覧ください。 タイヤが原因で車検に通らないことはある?
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タイヤが原因で車検に通らないことはあります。車検での検査項目にはタイヤに関するものもあるためです。タイヤは自動車が安全に運転するための重要なパーツと言えます。極端な話ですが、たとえばパンクしたまま走行すれば事故につながりかねません。そのため車検では、タイヤに関して次のような項目がチェックされます。
- 【チェック項目】
- トレッド磨耗
- 空気圧
- 偏磨耗
- ひび割れ
- 傷
車検とは自動車が安全基準に適合しているか検査するためのものです。したがって車検では、安全面において重要なタイヤの確認が義務づけられています。もしタイヤが不良であった場合、車検に通りません。
タイヤが整備不良だった場合の罰則
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一般的な走行において、タイヤの整備不良は罰則の対象です。もし安全性が低いまま公道を走行すると、「制動装置等違反」とされます。制動装置等違反では違反点数2点、反則金9,000円の罰則です。
交通ルールをしっかりと守っていたとしても、タイヤが整備不良であれば違反とされてしまいます。車検での確認はもちろんですが、日頃からタイヤの状態をチェックしておくことも大切でしょう。整備不良で罰則を受けないように気をつけてください。 車検に通らないタイヤの特徴
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それでは車検に通らないタイヤとはどのようなものなのでしょうか?車検前に確認しておきたい方は、次の3つのような状態になっていないかチェックしてみてください。
特徴1:溝が減っている
まずはタイヤの溝がすり減っていないかを確認してみましょう。溝が減って「スリップサイン」が出ている場合は車検に通りません。
スリップサインはタイヤ側面にある「▲」印のところにある、溝の中の突起です。正常なタイヤでは、接地面よりも一段低くなっています。しかし接地面が減ってくると、溝の中にあるスリップサインとの高さが近づくことに。スリップサインと接地面の高さが同じになったら車検に通りません。
溝が減ったタイヤは車検に通らないだけでなく、スリップの危険性が高まります。溝がすり減っていないかしっかりと確認して、適切な時期に交換して車検を受けましょう。車検に受かるタイヤの溝の深さは1.6mm以上が基準となります。1.6mm未満の場合は車検を通すことができません。
新品で購入したタイヤであれば約8mmあります。
1.6mm未満という状態はほとんど溝が無くつるつるのタイヤの状態なのがお判りいただけると思います。
大変危険な状態のため、1.6mm未満の場合は必ず交換をしてください。また、冬の時期に活躍するスタッドレスタイヤにはスリップサインはありませんが、同じく溝の深さを判別するために、溝と溝の間に「プラットホーム」と呼ばれる印があります。
こちらは溝の深さが50%以下になった場合は車検を通すことができませんので、スタッドレスタイヤで車検を受ける際には合わせてご確認ください。特徴2:ひどく劣化している
劣化しているタイヤも車検に通りにくくなります。タイヤはゴム製品なので、劣化するとひび割れたり傷がついたりしやすくなり危険です。車にほとんど乗らない方であれば、タイヤはなかなかすり減らないでしょう。しかしすり減っていないからとそのまま交換せずに履き続けると、ゴムが劣化してパンクの危険性が高まります。走行中にバーストしてしまう可能性も高く、危険な状態です。
車に乗る機会が少なくても、タイヤは消耗品と考えて車検や日常点検を機会に交換しましょう。ひどく劣化しているタイヤは車検に通らないだけでなく、運転者の身を危険にさらします。特徴3:車のサイズに合っていない
最後にご紹介するのは、車とタイヤのサイズがあっていないことです。サイズがあっていないタイヤを装着していると、スピードメーターの誤差や、タイヤのはみ出しによって危険が生じます。
目安としては車のボディからタイヤがはみ出していれば車検に通らないと考えてよいでしょう。幅の太いタイヤを装着していたり、ホイールのインセットが適切でなかったりする場合が該当します。またタイヤ周辺をぶつけて、車体がへこんでしまったときにも車体からタイヤがはみ出してしまうことがあります。車が好きな方であれば、大きなタイヤをつけたり、ホイールを大きくしたりしてカスタムしたいと考える方もいるかもしれません。しかしそのままでは車検に通らないため交換してください。もし車体がへこんでタイヤがはみ出した場合は、板金修理を受けるようにします。車に対して適切なサイズのタイヤが装着されているかどうか、車検前によく確認しましょう。
車検に通らない原因について詳しく知りたい方は“車検に通らない7つの原因と合格するためのメンテナンス&対処法”をご覧ください。 車検通過のためのタイヤ管理のコツ
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車検に合格するには、日々のタイヤ管理が欠かせません。タイヤの劣化や磨耗などで車検に合格できなくならないように、日々のタイヤ管理のコツを押さえて実践してください。
コツ1:タイヤをメンテナンスする
まずは定期的にタイヤのメンテナンスをすることです。スリップサインや空気圧のチェックを日頃から行ってください。タイヤの交換時期を適切に判断できるようになれば、タイヤが原因で車検に通らないことも少なくなるはずです。
メンテナンスは適切な交換のために必要なだけでなく、安全に運転するためにも大切です。スリップサインと空気圧のチェックを日頃から行って、常に良い状態を保てるようにしましょう。コツ2:タイヤを定期的に交換する
定期的にタイヤを交換するのも管理のためのコツのひとつです。タイヤは劣化してくると、パンクやバーストの危険性が高まるため、早めに交換しておくに越したことはありません。スリップサインが出る前に交換できれば、走行の安全性が高まります。
交換の目安は2年に1回です。あまり車に乗らない方でも、2年に1回の交換をすれば経年劣化する前に交換できます。もしタイヤが硬くなっていたり、ひび割れが見られたりするようであればすぐに交換しましょう。タイヤは定期的に交換するのが管理の基本です。 タイヤを長持ちさせるコツ
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タイヤは走行すれば磨耗しますが、コツを覚えればより長持ちさせられるようになります。タイヤの寿命を延ばすための5つのコツについて解説しますので、ぜひこれから実践してみてください。
コツ1:負荷のかからない運転を心がける
タイヤを長持ちさせるための基本となるのが、負荷のかかりにくい運転を心がけることです。タイヤは運転の仕方により減りが変わります。急発進・急停止・急ハンドルはタイヤに大きな負荷をかける行為です。「急」のつく運転は、瞬間的にタイヤに大きな力を加えるものとなります。タイヤへの負荷を減らすなら、緩やかな動きの安全運転を意識してください。
コツ2:ホイールアライメントを調整する
続いてはホイールアライメントを調整することです。調整によって、車検でのタイヤチェック項目である偏摩耗や片減りを軽減させやすくなります。
ホイールアライメントとは、タイヤを取り付ける角度のことです。大きな段差に乗り上げたり、タイヤをなにかにぶつけたりすることで、タイヤの角度が狂ってしまうことは少なくありません。取り付け角度は整備業者やカーショップで測定してもらえます。もしタイヤに強い衝撃が加わることがあれば、ホイールアライメントの調整を行うようにしましょう。コツ3:空気圧を管理する
タイヤの寿命を延ばすには、空気圧の管理も大切です。空気圧が適切でない場合、偏摩耗や量肩減り磨耗、センター磨耗が起こりやすくなります。さらに自然に低下するものなので、こまめに点検するようにしたいものです。
空気圧の点検は整備工場やカーショップ、ガソリンスタンド、ディーラー、セルフ式のカーメンテナンスコーナーなどさまざまなところで行なえます。メーカーごとに定められている空気圧にするのが理想的です。一般的に車両指定空気圧から0~+20kPaであれば問題ないので、指定の数値内になるよう管理してください。コツ4:適切な場所でタイヤを保管する
夏場の冬用タイヤ、冬場の夏用タイヤを適切な場所で保管することも寿命を延ばすための大きなポイントとなります。ゴムでできているタイヤに適した保管場所は、直射日光が当たらない場所です。できれば空気を抜いた状態で保管するのをおすすめします。
また油や熱が加わらない場所で保管することも重要です。最も理想的な環境は、日陰で涼しく、油分がない場所となります。コツ5:タイヤをローテーションさせる
タイヤをローテーションさせるのも、長持ちさせるためのコツとしておすすめします。
タイヤの磨耗具合は前輪と後輪で変わるものです。自動車の駆動方式によりますが、前輪駆動のFF車では前のタイヤの磨耗が早く、後輪駆動のFR車では後ろのタイヤの磨耗が早くなります。四輪駆動の4WD車ではほぼ同じとなりますが、右左折などにより前のタイヤの方がやや早く減る傾向です。また右左折により、タイヤごとに左右の磨耗にも違いが現れます。
駆動方式ごとのタイヤの減り具合を知っていれば、定期的に前後左右を入れ替えてタイヤの寿命を延ばせます。目安としては、走行5,000kmごとに入れ替えると良いでしょう。関連記事:車の構造変更による車検の流れについて
スタッドレスタイヤで車検を受ける際の注意点
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車検の時期や地域によっては、スタッドレスタイヤで車検を受けることもあるでしょう。スタッドレスタイヤで車検を受ける場合は、次の2つのポイントに気をつければ、タイヤが原因で車検に通らないことは少なくなります。
注意点1:プラットフォームの確認
まずはプラットフォームの確認が欠かせません。ノーマルタイヤでは磨耗の目安となるのはスリップサインです。しかしスタッドレスタイヤにはスリップサインはありません。代わりに「プラットフォーム」と呼ばれる印があります。
スタッドレスタイヤの場合は目安として半分ほど摩耗し、「プラットフォーム」が出た場合に車検に通らなくなります。
プラットフォームが設置されている場所や確認方法は、スリップサインと同じです。プラットフォームと呼ばれる溝の中の突起が、接地面と同じ高さになったときに車検に通らなくなります。冬場に車検を受けるなら、スリップサインの代わりにプラットフォームを確認しましょう。注意点2:使用期限の確認
スタッドレスタイヤで車検を受けるなら、タイヤの使用期限も確認しておきましょう。スタッドレスタイヤには、実は使用期限があります。一般的には新品時から3~4年で寿命が訪れるとされます。
もちろん保管状態などにより劣化具合は変わるでしょう。しかしゴムは紫外線を浴びるだけでも劣化するものです。新品購入時から3~4年が経っていたら、使用期限がきたと考え、車検前に新しいタイヤに交換されることをおすすめします。 車検前には忘れずにタイヤのチェックを
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いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、車検とタイヤの関係性がご理解いただけたと思います。
タイヤが原因で車検に通らないことは珍しくありません。溝の減りや劣化、ひび割れ、傷などがある場合は、不合格になることもあります。これから車検を受ける方は、今回の記事を参考にしてタイヤをチェックしてください。そしてこれから、保管やメンテナンス、運転に気をつけてタイヤを長持ちさせましょう。「とことん車検ナビ」では全国各地の信頼できる車検会社を豊富に掲載しています。
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