車検のいろは


車検の知識をしっかり押さえて、自分に合った車検を選ぼう!

中古車の車検について時期や期間を確認する方法、車検が切れてしまった場合の罰則や3つの車検タイプなどをまとめています。

いろは その56 中古車の車検時期とは?
中古車の車検時期とは?残り期間の確認方法と車検時の注意点

新車よりもリーズナブルに購入できる中古車は、本体価格の安さや手に入れやすさ以外に車検整備を受けてから購入できるものも多く見つかります。新車価格で購入し、車検も自費で通すといった手間がかからないため人気があります。

この記事では、中古車の車検について時期や期間を確認する方法、車検が切れてしまった場合の罰則や3つの車検タイプなどをまとめています。中古車を購入する際の検査についても紹介していますので、中古車の購入を考えている方はぜひ参考にしてください。

中古車の車検時期は?

中古車の車検時期は製造から1年未満のものを除けば、すべて2年ごとの検査が義務づけられています。新車はすでに整備済み、かつ摩耗していない状態のため初回のみ3年後に設定されていますが、中古車はすでに人の手にわたった車のため間隔が短く設定されています。

基本的には2年ごとの間隔となりますが、中古車のなかには2年をおかずに車検が必要になるケースもあります。一例として「車検なし」として売り出されている中古車は有効期限が切れた状態のため、購入してからすぐ車検を受けなければなりません。

中古車のスペックを確認する際、フロントガラスに貼り出されたステッカーの「車検」という項目を確認してみましょう。年月日が書かれている場合はその日まで車検がきいている状態という意味であり、2年以内に期限が切れてしまうものも少なくありません。

関連記事:車検って何?基礎知識(有効期間・費用)

車検の残り期間の確認方法

中古車の車検の残り期間を確認するためには、中古車販売店の店頭で中古車1台ずつに貼られているステッカーを確認します。フロントガラスの中央部分や上部に数字を記載したシールが貼られており、大きな数字と小さな数字で構成されています。

2つの数字のみが書かれた四角いシールは「検査帳票(検査標章)」と呼ばれ、車検の有効期限を表すものです。大きな数字が「10」小さな数字が「5」と書かれているものであれば、「令和5年10月」が車検の有効期限になります。

検査帳票(検査標章)とは別に、時計のように大きな数字を小さな数字が囲んでいるステッカーが貼られているものは「点検整備済みステッカー(ダイヤルステッカー)」という名称で、点検を済ませたあとで発行されるものです。大きな数字で「6」小さな数字が白抜きで「8」と書かれている場合、次回の点検年が「令和6年9月」という意味になります。
車検シールについて詳しく知りたい方は“車検シールをきれいに正しく貼る方法と見方・必要性について”をご覧ください。

車検が切れている場合の罰則

車検は、どの車であっても必ず有効期限を守らなければなりません。有効期限が切れてしまった車は公道で運転ができなくなり、その状態で勝手に公道を運転すると「無車検運行」と呼ばれる道路交通法違反に該当します。

無車検運行は他の車の安全な走行を妨げる事故の可能性があるとされ、違反点数は6点(2023年4月時点)に該当します。前歴がない場合は行政処分として違反点数+30日の免許停止処分となりますが、さらに刑事罰も適用されることに注意が必要です。

刑事罰は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑となります。こうして免許停止処分が明けたあとは「前歴1」となり、前歴2までは運転を続けられますが、前歴2の段階で検挙されると免許の取り消し処分となります。

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)は車検と同じタイミングでの更新が一般的な、強制加入の保険です。24ヶ月の期限が切れると再度更新をしなければなりませんが、車検が切れた車は自賠責保険も切れている可能性があります。つまり、無車検運行に加えて保険も切れている「無保険運行」に該当する可能性があるのです。

無保険運行は事故を起こしていなくても、保険に未加入というだけで違反点数6点、免許停止処分のうえ1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑となります。
車検が切れた際の対処法について詳しく知りたい方は“車検が切れた!罰則や罰金はある?車検切れの場合の対処法”をご覧ください。

中古車によって異なる3つの車検の状態

中古車を見てみると、車検の状態が車によって異なることに気がつきます。実際に店頭で販売されている車のステッカーには、主に3種類の状態が記載されています。それぞれの車検の内容を確認していきましょう。

車検あり

「車検あり」は、すでに車検を受けている車です。ただし中古車の車検の有効期限は2年のため、販売時点でまだ前の車検分が残っているということは、次の更新までに2年を切っている状態と考えられます。

車検ありの車は、購入したあと名義を自分自身のものに変更すればすぐに走行ができます。「車を買ったらすぐ運転したい」と考えている方にもおすすめです。

ただし、中古車のなかには購入してから比較的すぐに有効期限が切れてしまうものもあるため、購入時に残りの日数を確認してください。

車検整備付き・車検整備2年付き

「車検整備付き」「車検整備2年付き」は、サービス全体が無料になるという意味ではなく、「車検にかかる整備費用を含んでいる」という意味の言葉です。すでに車検切れになっている状態の中古車を事業者側で車検を実施して納車するため、事前の整備費用が車両の本体価格に含まれている状態です。

前提として、「車検整備付き」「車検整備2年付き」の車はすでに車検が切れている状態であり、購入しても公道の運転はできません。車検自体は代行を依頼すれば中古車店などの事業者側で行ってもらえます。中古車を購入してから車検・整備が行われるため、表示価格に整備費用が含まれているのです。

注意点として、車検の代行依頼にかかる手数料は含まれていません。自賠責保険の料金も含んでいないため、中古車を購入したオーナー自身が別に支払う必要があります。

車検整備なし・車検なし

「車検整備なし」「車検なし」はどちらも有効期限が切れており車検が済んでおらず、オーナー自身で車検を行わなければならない状態です。

表示価格の総額だけを見ると、どの車よりも安く思えるのも特徴的ですが、車検を自力で行わなければならないことに加えて、公道を走行できるようになるまでに日数があいてしまう点に注意が必要です。

車検が切れていても、走行せず車庫や駐車場に停めておくことは可能です。「とりあえず車だけを購入して、必要なタイミングで車検を受けたい」という場合は車検整備なし・車検なしの車でも問題ありません。

中古車の車検にかかる費用の内訳と相場

中古車の車検には、大きく分けて「法定費用」「車検基本料」「整備費用」がかかります。それぞれどのような意味の費用なのか、詳しく確認していきましょう。

法定費用

法定費用とは、車検自体にかかる費用に加えて自動車にかかるさまざまな税金や保険料をまとめた総称です。

費用の内訳としては、車両の重さをもとに課税される「自動車重量税」強制加入の保険である「自賠責保険料」印紙・証紙を使用して支払う「検査手数料」が含まれます。

法定費用という名前のとおり、法律によって定められている金額です。車の重さごとに金額が変わる場合もありますが、3万円から5万円程度の費用が一般的です。

車検基本料

車検基本料(車検基本料金)は、車検そのものにかかる費用です。自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料(印紙・証紙代)・代行手数料(事業者に代行を依頼する場合)が含まれ、1万円台から10万円前後までと車検の実施場所によって金額に幅があります。

法定費用のように一律の金額ではないため、ディーラーや整備工場といった車検対応の店舗・工場によって基本料金は異なります。ディーラーと呼ばれる正規販売店は一般的に高額であり、ガソリンスタンドや整備工場はそれよりも安価なケースが多くみられます。

整備費用

整備費用(部品交換費用)は、車検の結果交換が必要になった部品にかかる費用です。

ブレーキオイルやラジエーター液も劣化や減りがあれば交換が必要になりますし、バッテリー自体も数年に一度のタイミングで交換をしておいたほうが安全なため、車検の際にまとめて交換する方も多いようです。

また、整備費用にはタイヤなど摩耗しやすい車の部品や、破損した部品の交換費用も含まれます。整備費用は3種類の費用のなかでもっとも違いが出やすい部分であり、ディーラーによる車検は純正品が使われるため他と比べて費用が割高になる傾向にあります。
関連記事:車検を安くあげるコツ

中古車を買うなら「車検あり」「車検なし」どちらが良い?

「車検あり」のメリット・デメリット

「車検あり」とは「この車はまだ車検が残っている」状態を意味しています。
「車検あり」のメリットとしては、車検受けるための手続きが必要ないため、購入し、納車したらすぐに乗れることがメリットです。
デメリットとしては、車検なしの中古車に比べて購入費用は高くなる傾向があります。
また、車検が切れるタイミングにも注意が必要です。例えば車検が切れる満了日が1ヵ月以内などの短い期間の場合は、自分で車検を受ける必要があるため、整備工場を探す手間や費用が発生します。
中には、車検時に重大な欠陥が見つかり、交換や修理費用が高額になる可能性もあるため注意が必要です。

車検なしのメリット・デメリット

「車検なし」とは「この車は車検が切れている」状態を意味しています。
「車検なし」のメリットとしては、購入費用は車検ありの車より安いことがほとんどです。そのため、自分で行う「ユーザー車検」や顔なじみの整備工場があるのであればぐっと費用を抑えることも可能でしょう。
デメリットとしては、車検を通す手間と費用が必ず発生することです。
車を購入したお店で車検も行うことが可能であれば探す手間を省くことは可能ですが、別途、自分で探す場合は手間がかかるためデメリットと言えるでしょう。

中古車を購入する際の検査に関する注意点

中古車の購入では、車検・法定点検について事前にチェックしなければなりません。2つの確認ポイントをみていきましょう。

車検の有無

車検なしの車はそのままでは走行できないため、必ずオーナー自身または事業者への依頼を行って、車検を通さなければなりません。安いからといって車検なしの車を購入しても、買ってすぐに公道を走行すると違反になってしまいます。

車検が残っている中古車は、車検なしのものよりも割高に設定されるのが一般的です。表示価格だけをみると一見車検なしのほうがリーズナブルに見えますが、追加費用の支払いを考慮すると、車検が付いている車のほうがすぐに走行できるため効率的といえそうです。

法定点検の期間

車検と間違いやすい「法定点検」は、故障や事故を予防するために整備を行うものです。普通車や軽自動車などの自家用車は1年ごとに法定点検を行うのが義務とされており、整備工場やディーラーのほかにガソリンスタンドでも受けることができます。

法定点検は車検のように期間が決められているものではありませんが、定期的に点検を受けている車ほど状態が良いと判断できます。中古車販売店で車を探す際に、購入を検討したい車が見つかったときは「点検整備記録簿」があるかどうかをチェックしましょう。

点検整備記録簿がある車の記録から今までに行った点検の期間やタイミングを確認しておくと、交換や整備を行った場所や程度が明らかになります。

中古車は車検の状態も含めたスペックを確認しよう

今回は、中古車の車検の内容や費用について詳しく紹介しました。中古車は新車よりも安いイメージがありますが、安いからといって購入を即決してしまうと法定点検や車検の手間がかかる可能性があります。

中古車の展示会や店舗を訪れたら、車のコンディションだけではなく車検の内容、点検整備記録簿などをチェックしましょう。表示価格だけではなく実際の車のスペックも比較しておくと安心です。

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