大切な愛車の車検は、信頼できるところに任せたいですよね。車検業者選びも慎重になります。このページでは、ディーラー車検の良いところ・悪いところをご紹介しています。
いろは その8 高い、安心?ディーラー車検の真実と安くするコツ
- 高い、安心?ディーラー車検の真実と安くするコツ
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皆さんはディーラーの車検にどのようなイメージを持っていますか?
「割高だけど安心できる」というのが一般的なイメージでしょう。
初めての車検で悩んでいる時にディーラーから連絡が来たので、費用が高いのを知っていながらディーラーに出した、なんて人もいるかもしれません。 しかし、割高な理由、安心できる理由がわからないままディーラー車検を申し込んだり、他の車検を選んだりするのはもったいないことです。
ディーラー車検の特徴を知ったうえで、愛車に合った車検業者を選びましょう。 - ディーラー車検の特徴
- まず初めにディーラー車検ならではの特徴をメリット・デメリットに分けてご紹介します。
ディーラー車検のメリット
- 純正パーツを使用している
ディーラーは、メーカーの各車種の純正パーツを保有しているので、部品交換の際は純正パーツに替えてもらえます。純正パーツは高品質が保証されているので「安心できる」理由の一つと言えるでしょう。 - 整備の質が保証されている
ディーラーで車検を通した車が、その後すぐに故障したとなってはディーラーだけでなく、メーカーの信用にもかかわります。そのためディーラー車検では次回の車検・点検まで安全に乗れるような整備を行っており、整備のチェックも厳重になっています。これはディーラーがメーカーの看板を背負っているからこそのメリットと言えるでしょう。
- ディーラーならではのサービスが受けられる
一般に車検を受けると、グッズのプレゼントやガソリンの割引等のサービスを受けられます。普段から車検や点検をディーラーにお願いしておくことで、新車購入の際や下取りの際に融通が利くこともあります。それらはディーラーならではのサービスと言えるでしょう。 - ディーラーのメーカー車種に強い
当然のことですが、メーカーの車の知識やデータを持ち合わせている業者はディーラーです。そのため、車検時の整備内容だけでなく車の買い替え時期や普段のメンテナンスなど一番的確に答えてくれるでしょう。
ディーラー車検のデメリット
- 費用が割高
ディーラー車検における唯一にして最大のデメリットが費用です。他の車検業者と比べて具体的にどのくらい高いのかは次章の”ディーラー車検の費用”で説明しますが、メリットに相応しい程割高となっています。
- 純正パーツを使用している
- ディーラーの車検費用
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では実際、ディーラー車検の費用はどの程度かかるのでしょうか?
フランチャイズの車検業者とディーラーでの車検を比べたものを以下の相場表にまとめてみました。
ガソリンスタンドや、民間の整備工場との相場の差が知りたい場合は"車検費用の内訳を徹底解説!"をご覧ください。
ディーラー車検における軽自動車の費用
軽自動車でも、ディーラー車検はやはり割高になります。必ずかかる費用として法定費用24ヶ月点検費用と代行料をあわせて7万円近くかかってしまいます。
一方でユーザー車検に関しては必要な費用は法定費用である- 自動車重量税 8,800円
- 印紙代 1,400円
- 自賠責保険 26,370円
民間車検もディーラー車検と違い、整備費以外の車検基本料金(点検費、代行料)は低く設定されているところが多いので、整備箇所が少ない新車であれば十分に安く車検を受ける事が出来るでしょう。
車別相場表
ディーラー フランチャイズ 軽自動車 約70,000円 約40,000-50,000円 コンパクトカー 約80,000円 約50,000-60,000円 ミニバン 約110,000円 約70,000-90,000円 この表はあくまで「整備費用を除いた」費用となるため実際はこの費用に加え、車の状態に応じて整備費用がかかります。ディーラーは純正品を用いて整備を行うため部品の価格も割高で、整備項目もディーラーの方が多くなるので費用の差はより大きくなるでしょう。
- ディーラー車検と民間車検・ユーザー車検の違い
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ディーラー車検が高い理由は先述したメリットと密接に関係しています。
- 純正パーツの使用
“ディーラー車検のメリット”でもお伝えしましたが、ディーラーは部品交換の際に割高な純正パーツに交換します。
部品を持ちこむことで社外品(純正パーツでない部品)での部品交換を受け入れてくれる所もあるので、社外品の利用を希望する場合は店舗に確認してみるのも良いでしょう。 - 工賃が高い
先述したとおり、ディーラーは次の車検まで安全に乗れるように綿密な整備を行うため、整備項目が多くなり、時間もかかります。
また、ほとんどのディーラーや整備工場では整備一時間当たりの工賃が定められていますが(これをレバレートと呼びます)、これもディーラーの場合は他の整備工場よりも高めに設定されているため整備時間と合わさって工賃が高くなるのです。 - その他サービス費用も上乗せされている
車をディーラーで購入した方であればすでに体感しているかと思いますが、ディーラーのカスタマーサービスは他の整備工場とは比べ物にならないほど充実しています。
来店時に飲み物やお菓子がでてくるのは当たり前で、子供用の遊び場まである。また、来店時に乗ってきた車を洗車してくれるというディーラーも存在します。その他にもいろいろなサービスがありますが、そのサービス分も料金に多少上乗せされているのです。
関連記事:”ユーザー車検費用っていくら?”
- 純正パーツの使用
ご希望の条件で選ぶ
- ディーラーで安く車検を行うコツ
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ディーラーだと車検費用が高くなると説明しました。ではディーラーで安く車検を行う事はできないのでしょうか?
もちろん整備項目を減らすことで安く抑えることができますが、車検を受けるタイミングによってはさらに車検費用を安く抑えることができるのです。
元エリートディーラーから聞いたそのからくりをご紹介します。
車検目標台数というものがあるディーラーには新車の販売目標というものがありますが、実は車検にも同様に目標台数が存在します。車検を通して新規顧客を手に入れれば車販の売り上げにも繋がるので、営業部門の人たちは目標を達成するために日々奮闘しています。
初めにお伝えしたディーラーからの車検の連絡も営業の一部と言えるでしょう。
狙い目は3月9月3月9月は決算期のため、その年の売り上げを少しでも上げるために車検目標も多めに設定されています。なので、その時期に車検を出せるように見積りを出しに行くと値段やサービスなどにおいて優遇されることが多くなるでしょう。
月の最終週を狙うとは言っても車検の有効期限は決まっており、車検を出しに行く時期を大きく調整することは難しいので3月9月に車検を行う事が難しい人もいるかと思います。そんな方は、月末を狙いましょう。月末であれば決算期と同様、ディーラーは目標を達成するために台数を稼ぎたいのでサービスされることが多いです。
- 実は民間車検でも整備の質は変わらない!?
- ディーラーに車検を頼んでも、町の整備工場に外注をしていることも少なくありません。その証拠に、車検シールや明細書に記載されている店舗名を見ると依頼したディーラーの店舗と異なる工場名が書かれていることがあります。
というのも車検業者には、陸運支局の代わりに車検を行うことが許可されている「指定工場」と、点検や整備・修理はできるものの自社の検査ラインを持っていない「認証工場」の2種類があります。認証工場に持ち込んだ場合、検査の際には陸運支局に持っていかなくてはなりません。
ディーラー車検に依頼をしても、そこが指定工場でなければ別のディーラー店舗や下請けの整備工場に回してしまうことがあったり、指定工場であったとしても工場がキャパオーバーで新たに車を受け入れられないことがあったりするため、このようなことが起こります。
つまり、窓口はディーラーでありながら実際に整備を行うのは町の整備工場であるというパターンもあるのです。
ディーラー車検で申し込みをした場合、まだ使えるパーツを交換したり、不要な整備をしたりすることによって高額になっている可能性もあります。「今まで車検はディーラーしか考えたことはない!」という方も、一度ディーラー車検と民間車検をそれぞれ見積もって、整備内容を比較してみましょう。- まとめ
- このページを見た方であれば、次からは「なんとなく安全そうだから」という理由でディーラーに車検をお願いする人はいないでしょう。普段整備をしない人であれば次回の車検まで安全に乗れるディーラー車検がオススメですし、普段から自力でメンテナンスをしているのであれば、わざわざディーラーに出す必要はないかと思います。普段のメンテナンスや、愛車の状況、またご自身の経済状況などを考えた上で車検業者を選んでみて下さい。
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