輸入車の特徴とは?
輸入車の特徴には、大きく分けて次の3つが挙げられます。
- 維持費
- 環境性能
- 走行性能
輸入車の特徴について、それぞれくわしく見ていきましょう。
特徴①維持費
輸入車は生産国における走行に適した設計がなされているため、寒暖差が大きい日本特有の気候やストップ・ゴーの多い日本の道路には適さず、環境の不一致から発生する不具合に対して部品の交換費や修理費が高い金額にのぼる場合があります。
バッテリーなどの電気系統の部品は高温による影響を受けやすいため、故障に遭う場面が多い部品でもあります。
また、輸入車を修理する場合生産国から部品を取り寄せる必要があるため、部品代に加え輸送費がかかることから整備費用が高額にのぼります。
さらに、輸入車の維持に必要なハイオクは通常のレギュラー指定の車と比較したときガソリン代が高くなり、維持費が増大します。
特徴②環境性能
近年では日本だけでなく世界中で排ガス規制の実施や電気自動車の販売が普及し、環境性能における国産車と輸入車の違いはほとんどありません。
しかし、海外の自動車は走行性能を重視した設計からダウンサイジングターボや小型ディーゼルエンジンといった車種の開発が進んでおり、国産車と比べ輸入車は環境性能に劣るのが現状です。
特徴③走行性能
国産車は燃費の良さや故障しづらい設計が重要視されており、快適な市街地走行を目指したつくりになっていることがほとんどです。
それに対し輸入車は、車体の大きさやエンジンの出力、安定した乗り心地など、走行性能に特化した設計になっている場合が多くみられます。
くわえて、輸入車は定期的な部品交換やメンテナンスを前提に設計されているため、国産車と比較して部品代や整備代に多額の費用が必要である傾向がみられます。
輸入車の車検の流れや準備について
輸入車の車検には別途必要な書類や手続きが存在します。
- 輸入車の車検に必要な準備とは
- 輸入車の車検の流れとは
ここからは、輸入車の車検に必要な準備や実際の車検の流れについて紹介します。
輸入車の車検に必要な準備とは
輸入車の車検には以下の必要書類を準備しなければなりません。
- 車検証
- 自動車納税証明書
- 自賠責保険証明書
- 印鑑(認印)
- 車検費用
- ロックナットアダプター
車検証や自賠責保険証明書は有効期限が切れていないか、事前に確認しておきましょう。
車検や自賠責保険の期限が切れてしまっている場合は、公道の走行が違反行為にあたるため、店舗まで車を運べなくなります。
ロックナットアダプターは、ホイール盗難防止を目的としてロックナットを設置している場合、車検する際に取り外す場面で必要です。
車検当日に必要な持ち物について知りたい方は”車検当日に必要な持ち物は?”をご覧ください。
輸入車の車検の流れとは
輸入車の車検の流れは、国産車の場合と概ね変わりません。
まずは電話やWeb上で車検日を予約します。
予約日には店舗へ直接足を運び、見積もりを出してもらいましょう。
その場で見積もり内容に不安がある場合、他の店舗と費用や内容を比較したうえで適切な店舗を選ぶ必要があります。
見積もり金額に合意後、車を引き渡して車検を受けます。
車検終了後に支払いを終えれば、車検に関する手続きは完了です。
車検について詳しく知りたい方は”車検って何?基礎知識(有効期間・費用)”をご覧ください。
輸入車の車検費用が国産車に比べて高くなる理由
ここまで、輸入車を車検に出す方法について紹介しました。
一般的に輸入車の車検には国産車よりも高い費用がかかるとされていますが、なぜ輸入車の車検には高額の費用がかかってしまうのでしょうか。
輸入車の車検が高額になってしまう理由には、次の4つが挙げられます。
- 車の重量
- 部品代
- 研修代
- 土地代
輸入車の車検に高い費用が必要とされる4つの理由について、それぞれくわしく見ていきましょう。
理由①車の重量
車検を受ける際、車の重量によって加算される税金が自動車重量税です。
車両重量が500kg増えるごとに、8,200円が加算されます。
輸入車は国産車よりも重量が大きくなる場合がほとんどであるため、国産車と比較して車検費用が多くかかってしまう要因に繋がります。
このとき、ボディサイズが同じでも重量が異なれば自動車重量税は変動します。
理由②部品代
輸入車の部品を交換する場合、生産国から部品を取り寄せる必要があり、整備費・部品代に加え輸入にかかるコストが加算されます。
また、車の部品は取り寄せの際だけではなく保管にも費用がかかり、部品の経年劣化を防ぐうえで適切な環境を維持するための費用が発生します。
理由③研修代
国外で車を開発するメーカーは、新しい車がリリースされる度に研修を実施します。
新しい車が発売されると、車ごとに異なる車のセールスポイントについて、メーカーで働く整備士や営業担当者が理解を深めるための学習の機会が用意されます。
場所代や教育費など、研修には多くの資金が必要とされます。
こうした研修費を車検価格に上乗せして請求されるため、輸入車の車検には高額の費用が必要となるのです。
理由④土地代
正規ディーラーは人通りが多く顧客数が多く見込める土地を選んで出店するため、アクセスが良好であるために土地代が高額にのぼる傾向が強いです。
車の往来や顧客増加を見込んで出店場所を選ぶため、その場合に必要な土地代に関しても車検費用に上乗せされてしまうのです。
また、ディーラーとして店舗を構える際、展示費用のほかにも整備を行うスペースをつくるための費用などが別途必要経費として発生します。
ディーラーとして店舗をつくるためには経費が高くなってしまうため、その分利用者が支払う車検費用も割高になります。
輸入車の車検費用の例
ここまで、輸入車の車検費用が高額になってしまう理由について紹介しました。
それでは、実際に輸入車の車検にはどれだけの費用がかかるのでしょうか。
- 軽自動車
- 小型車
- 中型車
- 普通車
- 大型車
輸入車の車検費用の具体例について、車種別に見ていきましょう。
例①軽自動車
フィアット126などの軽自動車の車検にかかる費用は、もっとも高額なディーラー車検で71,110円以上、身近な店舗で気軽に車検を受けられるガソリンスタンドで46,370円以上、車検専門店では52,534円以上かかります。
そのほか、融通が効きやすい整備工場では66,110円以上かかり、費用が法定費用のみに限られるユーザー車検では32,770円以上となっています。
例②小型車
アウディA7などの小型車の車検にかかる費用は、もっとも高額なディーラー車検で83,930円以上、身近な店舗で気軽に車検を受けられるガソリンスタンドで58,030円以上、車検専門店では63,194円以上かかります。
そのほか、融通が効きやすい整備工場では83,750円以上かかり、費用が法定費用のみに限られるユーザー車検では43,430円以上となっています。
例③中型車
VWパザードなどの中型車の車検にかかる費用は、もっとも高額なディーラー車検で93,210円以上、身近な店舗で気軽に車検を受けられるガソリンスタンドで67,230円以上、車検専門店では71,394円以上かかります。
そのほか、融通が効きやすい整備工場では89,970円以上かかり、費用が法定費用のみに限られるユーザー車検では51,630円以上となっています。
例④普通車
カングー(ルノー)などの普通車の車検にかかる費用は、もっとも高額なディーラー車検で103,570円以上、身近な店舗で気軽に車検を受けられるガソリンスタンドで76,430円以上、車検専門店では79,594円以上かかります。
そのほか、融通が効きやすい整備工場では109,610円以上かかり、費用が法定費用のみに限られるユーザー車検では59,830円以上となっています。
例⑤大型車
メルセデスベンツやGLSなどの大型車の車検にかかる費用は、もっとも高額なディーラー車検で120,410円以上、身近な店舗で気軽に車検を受けられるガソリンスタンドで84,630円以上、車検専門店では87,794円以上かかります。
そのほか、融通が効きやすい整備工場では119,330円以上かかり、費用が法定費用のみに限られるユーザー車検では68,030円以上となっています。
このように、車種によって車検費用は大きく変動し、車検を依頼する店舗によっても価格は大きく異なるため、予算に見合った車検費用を意識して店舗や車検の方法を選ぶ必要があります。
車検を安くあげたい方は”車検を安くあげるコツ”をご覧ください。
輸入車の車検を受け付けている場所
ここまで、輸入車の車検費用における目安価格について紹介しました。 ここからは、輸入車の車検を受け付けている場所について紹介します。
- ディーラー
- 整備工場
- 車検専門店
- カー用品店
- ガソリンスタンド
場所によって車検の方法や車検費用が異なります。
車検を行う際には、自身のニーズや希望内容に沿ったサービスが受けられる場所を選びましょう。
場所①ディーラー
ディーラーでは部品の交換に純正部品のみが使用され、ディーラーが開発する車に特化した設備を取り扱っていることから、車検の技術に高いレベルを求める際におすすめです。
高い技術や豊富な知識を有する整備士が車検に携わり、高品質な特典を受けられる場合も少なくありません。
ディーラーで車検を受ける場合、車検期間は最短で1日かかり、長い場合には1週間ほど代車を利用する必要があります。
ディーラーでの車検では車検費用が比較的高くかかり、車検に要する時間も長くかかってしまう傾向があるため、時間や費用に余裕のある場合に検討すべき車検方法です。
場所②整備工場
整備工場は車種を問わず豊富な種類の車両に対応可能であり、輸入車に特化したサービスを行っている工場も多く存在します。
また、車検で部品交換を行う際にはリビルト品と呼ばれる再生品を使う場面も多く、ディーラーでの車検と比較して費用を安く抑えられます。
整備工場を利用する場合、整備工場によって得意としている車種や車両が異なるため、自分の車に適切な車検を行える設備が整っているか、事前に複数の工場を比較しておくとよいでしょう。
場所③車検専門店
車検専門店は車検に特化した店舗であり、ほとんどの場合フランチャイズ展開されているため価格や整備内容が統一されています。
迅速なスピードでの車検にこだわっている店舗も多いため、必要最低限の点検で費用を安く抑えたい場合には便利です。
車検専門店の場合、輸入車は国産車とは異なる点検設備を必要とすることから、輸入車の取り扱いを断っている店舗も存在するため、車検を受ける前に輸入車への対応の可否を店舗に確認しておく必要があります。
また、必要最低限の車検内容で快適な走行のための予備的な整備は行われない場合が多いため、車両の走行上の課題にあわせた細かな整備を必要とする場合には、ディーラーや整備工場の利用が望ましいです。
場所④カー用品店
カー用品店で車検を行う場合、充実した保証制度を受けられたり徹底したアフターフォローを受けられたりする利点があります。
予算に合わせて消耗品や交換部品を選べるため、高額な費用が準備できない場合にも便利です。
また、車検内容だけではなく、日頃のメンテナンスに関する悩みや車両トラブルについてワンストップで対応してもらえるため、一度に多くの整備を済ませたい人におすすめです。
カー用品店においても車検専門店と同様、輸入車へ対応不可の場合もあるため、事前に輸入車に対応可能かどうかを店舗へ確認しましょう。
場所⑤ガソリンスタンド
身近で店舗数も多いガソリンスタンドでは、必要最低限の車検内容であるため、短時間かつ低価格での車検が可能です。
ガソリンを給油する際に車検を予約することも可能で、年中無休で対応してもらえることもメリットです。
手軽に短時間で車検を完了させたい場合、ガソリンスタンドでの車検がおすすめです。
ガソリンスタンドで車検を行う場合は、輸入車の取り扱いが不可であったり、店舗によって整備内容に差があったりする場合があります。
また、車検を外部に委託しているガソリンスタンドも多く、車検場所への移動時間が余分にかかったり担当者への問い合わせができなかったりするデメリットがあります。
輸入車の車検費用を抑えるポイント
輸入車の車検費用を安く抑えるためには、次の2つのポイントをおさえる必要があります。
- お店の選び方
- 定期的なメンテナンス
輸入車の車検費用を安く抑えるために重要な2つのポイントについて、それぞれくわしく見ていきましょう。
ポイント①お店の選び方
先述したように、高品質な車検に特化したディーラーでの車検は費用が高額にのぼることが多く、一方で車検専門店やガソリンスタンドでの車検費用は比較的低額です。
車検費用を抑えたい場合には、必要最低限の車検内容で費用を低額に抑えられる場所を選ぶことが重要です。
整備工場やカー用品店では必要に応じて交換部品や消耗品を自由に選べるため、費用を抑えながら純正品以外の部品を使用したい場合におすすめです。
またお店を選ぶ際には、複数店舗に見積もりを依頼し、費用面やサービス面を比較したうえで適切な店舗を選ぶことが重要です。
見積もり内容や整備内容に不明点がある場合にはすぐに店舗へ問い合わせ、スタッフ対応の様子に関しても複数店舗を比較しましょう。
ポイント②定期的なメンテナンス
輸入車は定期的なメンテナンスや部品交換を前提に設計されており、定期点検を怠ると部品が破損したり不具合が発生したりする可能性が高まります。
車検時にまとめて部品交換を行うと支払う費用が高額になってしまう恐れもあるため、定期的なメンテナンスで突発的な出費を減らすことも重要なポイントです。
定期的なメンテナンスを行うことで、常に車を快適な状態に保つことも可能です。
輸入車の車検は国産車より高額
輸入車の車検は国産車と比較して高額な費用が必要である場合が多いですが、適切な車検場所を選んだり定期的なメンテナンスを心がけたりすることで必要な費用を安く抑えられます。
車検を依頼する店舗によって車検費用だけでなくサービス内容や取り扱い部品も異なるため、自動車の状態や予算に合わせて適切な店舗を選ぶことが重要です。
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