車検ステッカーとは
車検ステッカーの正式名称は「車検証票」です。正式名称からわかる通り、自動車検査登録制度(=車検)の保安基準に適合していることを示します。車検ステッカーは、普通自動車用と軽自動車用にわかれます。表面と裏面の記載内容は次の通りです。
- 【記載内容】
- 表面:有効期限(年月)
- 裏面:有効期限(年月日)
表面は「5(小)と1(大)」などのように記載されます。小さく記載されている数字は和暦の年、大きく記載されている数字は月です。上記であれば、令和5年1月が車検の有効期限になります。裏面は有効期間の満了日が記載されます。同じ自動車を継続して利用する場合、この日までに次の車検を受けて通過しなければなりません。ちなみに、普通自動車と軽自動車ではステッカーの色が異なります。普通自動車は水色、軽自動車は黄色です。軽自動車用の色は、ナンバープレートと同じと考えておくとよいでしょう。
表示は義務
道路運送車両法で、検査証票(車検ステッカー)の表示が義務付けられています。
自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。
出典:e-GOV法令検索「昭和二十六年法律第百八十五号道路運送車両法」
何かしらの理由で車検ステッカーを表示せず運行の用に供した場合、道路運送車両法第109条に基づき罰金50万円以下に処される恐れがあります。仮に、車検を受けていても表示を怠れば罰金に処されるかもしれません。自動車を運転するときは、車検ステッカーを表示しましょう。
車検ステッカーは再発行できる?
交付を受けてから貼り付けまでの間に紛失してしまった、事故でフロントガラスが割れてしまったなどで、手元に車検ステッカーがない場合は再発行できます。普通自動車は運輸支局など、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きを行います。再発行の基本的な流れは次の通りです。
- 【手続きの流れ】
- 必要書類(後述)をもって運輸支局などへ出かける
- 窓口で申請書を入手する
- 申請書に必要事項を記載する
- 申請書と必要書類を窓口へ提出する
- 車検ステッカー・車検証を受け取る
手続きに自動車は必要ありません。前述の通り、検査証票を表示せず運行の用に供すると罰金を科される恐れがあるため、自動車は運転しないようにしましょう。手続きは最寄りの運輸支局などで行えます。つまり、管轄外の運輸支局でも可能です。
関連記事:車検証を紛失した場合はどうすればいいの?
車検ステッカーの再発行に必要な書類
再発行に必要な書類は、普通自動車と軽自動車で異なります。詳細を確認してから手続きを進めましょう。
普通自動車の場合
普通自動車の必要書類は次の通りです。
- 申請書
- 手数料納付書
- 理由書(紛失書)
- 自動車検査証
- 検査証票
- 委任状
申請書・理由書は運輸支局などで入手できます。理由書は、遺失または紛失した理由を記載する書類です。使用者の署名が必要になります。申請書に理由の記載があれば、この書類は基本的に不要です。
自動車検査証は原本を持参します。車検ステッカーの再発行に伴い自動車検査証も再発行されるからです。この書類も紛失などしている場合は先に再発行しておきます。
検査証票は、提出できる場合のみ提出します。例えば、破れているときは一部のみの提出で構いません。
委任状は、代理人が申請する(申請書に車検証に記載されている使用者の記名がない)ときに必要です。運輸局のホームページでダウンロードできます。
軽自動車の場合
軽自動車の必要書類は次の通りです。
- 検査証票再交付申請書
- 自動車検査証
- 検査証票
- 申請依頼書
検査証票再交付申請書・手数料納付書は、軽自動車検査協会の窓口や公式ホームページで入手できます。普通自動車で提出する理由書は不要です。
軽自動車の場合も自動車検査証の原本が必要になります。また、検査証票も提出できる場合は提出を求められます。
代理人が手続きを行う場合は申請依頼書が必要です。申請依頼書は、軽自動車検査協会の公式ホームページでダウンロードできます。また、軽自動車検査協会の窓口で入手することも可能です。
自動車検査証について詳しく知りたい方は“車検証(自動車検査証)とは?なくしたときの対処法や住所変更について詳しく解説”をご覧ください。
車検ステッカーの再発行の費用
再発行には一定の手数料がかかります。普通自動車と軽自動車にわけて手数料を紹介します。
普通自動車の場合
普通自動車は、窓口で購入した自動車検査証登録印紙を手数料納付書へ貼り付けて提出します。自動車検査証登録印紙の印紙代は300円です。これが普通自動車における手数料になります。ちなみに、検査証票を偽造すると、懲役3年以下もしくは100万円以下の罰金、あるいは懲役三年以下、100万円以下の罰金に処されます。わずかな金額で再発行できるうえ、偽造すると重い刑罰を科されるため、不正行為は控えましょう。
軽自動車の場合
軽自動車は、検査証票再交付申請書に手数料を添えて窓口へ提出します。再発行にかかる手数料は普通自動車と同じ300円です。ただし、具体的な手続きはやや異なります。軽自動車は、手数料納付書の提出を必要としません。
車検ステッカーを貼る際の注意点
新しい車検ステッカーをフロントガラスに貼るときは、貼り付け位置と貼り付け方に注意が必要です。
貼り付け位置
令和5年7月までの貼り付け位置は「前方から見やすい位置」です。以上を満たす位置としてルームミラー付近があげられるでしょう。令和5年7月以降は「運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」が貼り付け位置になります(軽自動車を含む)。具体的には、右ハンドルの場合はフロントガラスの右上、左ハンドルの場合はフロントガラスの左上(ともに運転席から見て))が所定の貼り付け位置になります(ただし、運転者の視野を妨げる場合は、視野を妨げず前方かつ運転席から見やすい位置)。貼り付け位置が変更になった理由は、運転席から有効期限を確認しやすくするためです。この変更は、令和5年7月以降に車検を受けて、車検ステッカーを新たに貼り付ける自動車へ適用されます。つまり、これ以外の自動車は、貼り付け位置の変更などを必要としません。
貼り方
2枚のシールを組み合わせて、1枚のシールを作ります。基本的な貼り方は次の通りです。
- 【貼り方】
- 左側のシートを山折りにしてステッカー(カラー)の右半分を剥がす
- 1のステッカーを右側の透明ステッカーと重ねる
- 左側のシートを剥がしてカラーと透明のステッカーを完全に重ねる
以上の手順で作成したステッカーをフロントガラスの右上隅または左上隅に貼り付けます(令和5年7月以降)。2枚のステッカーから1枚のステッカーを作らなければならないため、貼り方を押さえておきましょう。
車検ステッカー以外のステッカー
自動車には、次のステッカーを貼り付けることもあります。それぞれの詳細は以下の通りです。
定期点検標証(ダイヤルステッカー)
認定工場で定期点検(自家用車は12カ月点検・24カ月点検)を受けたことを表すステッカーです。フロントガラスの左上(助手席側)に貼られます。丸い形で、中央に大きな数字、外周に1~12の数字が並んでいるデザインです。以上の特徴から、ダイヤルステッカーと呼ばれることもあります。
定期点検標章には、次回の定期点検の時期が記載されています。具体的には、中央の数字が次回の定期点検を行う年、白抜きになっている外周の数字が次回の定期点検を行う月を表します。また、裏面(車内側)には定期点検を実施した年月日、定期点検を行った認定工場、次回の定期点検を行う年月日が記載されます。
罰則はないものの、定期点検の実施は自動車の使用者に課された義務です。忘れずに受けましょう。ちなみに、未認証工場で点検を受けてもこのステッカーは貼られません。分解整備を行えないからです。
保管場所標章
車庫証明書とあわせて交付されるステッカーです。車庫証明書取得済みであることを表します。保管場所標証には「標章番号」「保管位置(都道府県・市・町名)」「発行した警察署長」が記載されます。原則として、リアガラスの見やすい位置に貼り付けなければなりません。ただし、罰則が設けられていないため、貼り付けていない自動車も存在します。保管場所標章を貼り付けずに運転していると、警察から注意を受ける恐れがあります。
低排出ガス車
国土交通省から低排出ガス車の認定を受けた自動車に貼り付けられるステッカーです。記載内容はクリアした排出ガス基準などで異なります。貼り付けを義務づけられているステッカーではありません。したがって、貼っていなくても罰金などを科されることはありません。
車検ステッカーは忘れずに再発行しましょう
この記事では、車検ステッカーについて解説しました。表示しないまま自動車を運行の用に供すると罰金50万円以下に処される恐れがあります。紛失や毀損した場合は、速やかに再発行をしましょう。普通自動車は運輸支局など、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きを行えます。再発行にかかる手数料はともに300円です。令和5年7月以降は、貼り付け位置が変更になります。この点も忘れずに対処しましょう。
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