車検前にガソリンを入れておく理由
ガソリンが少なくなっている場合、車検に出す前にきちんと入れておきましょう。これには、以下の2つの理由があります。
理由①:車検場への往復時に使用するため
車検場への往復時に車を運転するためのガソリンが必要です。
車検を行っている業者は「指定工場」か「認定工場」のどちらかに分類できます。このうち、認証工場に該当する業者は運輸支局長から車の分解整備を行うことを認められている工場なのですが、自社内では車検を完了させられません。そのため、国が行っている車検場に車を持ち込む必要があります。
この時、車を運転して持ち込む場合、走行距離分のガソリンが必要です。車検場までの距離がどの程度なのかによって必要な量が変わります。地方の場合、車検場まで距離があり、往復で200メートルほど走らなければならないケースもあるので、注意しましょう。
一方、車の分解整備に加え、検査も認められているのが指定工場です。運輸支局にあるのと同じ検査ラインを持っているため、自社内で車検まで行えます。
そのため、指定工場に該当する業者に車検を依頼すれば車検場への往復時は必要ないため、その分のガソリンも不要ということになります。
自分が依頼する業者が指定工場と認定工場のどちらに該当するのか調べておくのも良いでしょう。工場に表示されているプレートで確認が可能です。
理由②:検査時にエンジンをかけるため
車検では、車のエンジンをかけ、動作などの検査が行われることになります。エンジンの動作を確認するためには、ガソリンが入っていなければなりません。
前述したように車検場への往復時に乗ることも考えると、ある程度の量は確保しておく必要があります。
車検に出す際に入れておくガソリンの量の目安
ガソリンを入れておくべきといっても、満タンにしておく必要はありません。
最低限のガソリンのみ入れておきたいということであれば、自宅から車検の依頼先までの距離から必要量を計算するのも一つの方法です。
ただ、車検の依頼先が車検場へ持ち込むタイプの場合、車検場までの距離についても考えなければなりません。総合的な距離と各車の燃費から必要なガソリン量が計算できます。
これに加えて実走で整備確認をするのに必要な量も考えましょう。
注意しなければならないのが、陸運支局での受験に落ちてしまい、再検査が必要になるケースがあることです。仮に燃費性能が1L10kmの車で、陸運支局までの距離が片道100kmだった場合、往復で20Lのガソリンが必要になります。再検査となれば、倍の40Lが必要です。
このことを考えると、再検査が必要になったとしても40L程度あれば足ります。
もちろん、満タンがNGなわけではないので、ある程度余裕を持ったガソリン量を入れておくと良いでしょう。
車検後にガソリンが大量に減っている場合の対処法
車検から戻ってきた車を確認すると、ガソリンが大量に減っていて驚くことがあります。これは、前述したように車認証工場に持っていくため、車に乗って運んだ可能性が高いです。
認証工場までの距離が遠ければ遠いほど、往復のガソリンがかかります。
また、実走による整備確認ではそれほど大量にガソリンが消費されることは少ないですが、足回りの整備を行った際にはそれなりに消費されます。
これらをふまえ、車検場への往復時に使用したことを考えても明らかにガソリンが大量に減っていると感じるのであれば、検査を行った業者に確認してみましょう。ごくまれにではありますが、預けられた車を私用で使っている業者もあるようです。
勝手に乗り回されてしまったのではないか、ガソリンを抜かれてしまったのではないかと心配になる方もいますが、再検査が必要になって2往復した可能性も考えてみてください。
このあたりについては、確認すれば答えてくれるはずです。仮に私用で使っていたことなどが明らかになった場合は、使用した分のガソリン代を請求すると良いでしょう。
車検を依頼できる業者の種類
車検を依頼できる業者はいくつかあります。主に以下の3種類について、特徴を紹介しましょう。
種類①自動車ディーラー
自動車メーカーによって運営されている販売店、修理工場といったところでも車検を行っています。選択するディーラーによっては車を引き取りにきてくれるほか、代車を用意してくれるケースが多いです。
自社の車について専門的な知識を持っているので、車検の質を重視したい場合に向いています。
ただし、基本的に純正部品を使用することになるため、費用がかかりやすいのはデメリットといえるでしょう。なお、自動車ディーラーは一般的には指定工場に該当します。
ディーラー車検について詳しく知りたい方は“高い、安心?ディーラー車検の真実と安くするコツ”をご覧ください。
種類②ガソリンスタンド
ガソリンスタンドの中にも車検を行っているところがあります。車検を受けるとガソリン代が割引されたり、ボックスティッシュなどのプレゼントが用意されたりしていることも珍しくありません。
給油に行った際に車検について相談しやすいことや、ディーラー車検と比較して費用が安いことなどがメリットです。
ただ、基本的に代車がないガソリンスタンドが多いので注意が必要です。また、本格的な修理が必要になると、ガソリンスタンドでは対応できないケースもあります。そのため、車検を断られてしまうことがあるのはデメリットといえるでしょう。
認証工場が多いですが、指定工場もあります。
種類③車検専門店
車検に特化したサービスを提供している業者です。専門的に車検を行っていることもあり、対応スピードが早い特徴を持ちます。また、料金設定が明確であるケースが多いので、どの程度の費用がかかりそうかあらかじめわかるのもメリットです。さまざまなメーカー・車種に対応しているので、幅広く相談できるでしょう。
デメリットとして注意しておきたいこととして、基本的に車検専門の業者であることから、ディーラーのように予防的な部品の交換などにそれほど積極的ではありません。
なお、指定工場に該当する車検専門店が多いです。
種類④整備工場
「○○自動車」や「○○モータース」といった名前がついていることが多い自動車の整備工場でも、車検が可能です。技術力の高いスタッフが在籍していることが多く、なおかつディーラーよりも安い特徴があります。
ただし、どの程度の品質が確保できるのかについては工場によって違いがあることや、土日休みの工場が多いのはデメリットといえるでしょう。どの整備工場を選択するのかによって指定工場なのか、認証工場なのかが異なります。
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代車を利用した場合にガソリンを補充する?
車検に出す際、代車を手配してもらうこともありますが、基本的に自分が使用した代車のガソリンは補給して返す形となります。最低限のマナーとも言えるのですが、業者の方で規定として補充して返却するように定めていることが多いです。
また、ガソリンを補充して返却する必要はないものの、減った分だけガソリン代が計算され、請求されるケースもあります。
使った分だけ補充して返却しようと思ったものの、もともといくら入っていたのか忘れてしまったような場合は、代車でどの程度走ったかである程度目安がわかります。10kmで1L程度消費するので、これを目安としてみてください。
なお、補充して返却する場合は使用した分だけ補充すれば良いので、借り始めた時以上に入れる必要はありません。返却時のルールについてどのように定めているのかは業者によって異なるので、直接確認してみましょう。
車検時にガソリン切れにならないように注意
いかがだったでしょうか。車検前にガソリンを入れておくべき理由や、どの程度の量を入れておけば良いのかなどについてご理解いただけたかと思います。車検の際にガソリンが足りなくならないように注意しましょう。
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